• レギュレーション
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ナカガワ シズキ

ナカガワ シズキ

入賞履歴
ポケモンワールドチャンピオンシップス2025 マスターディビジョン 3位
入賞履歴
ポケモンワールドチャンピオンシップス2025 マスターディビジョン 3位

01 ポケカを始めたきっかけ

幼少期、初代ポケカに触れた思い出 大人になって再度ポケカに興味を持った

ポケカを始めたきっかけを教えてください。

初めて触れたのは幼稚園か小学生かくらいのころ、いちばん最初に発売されたポケカの第1弾 スターターパックを買ってもらったときで、当時は家族や友だちとすこし遊んでいたくらいでした。あれから約25年、2021年にふらっと立ち寄った家電量販店でたまたま発売日だったポケカの購入列を見て興味を持ったのがポケカに戻ってきたきっかけでした。それも最初は興味本位という感じで、本格的に大会を見据えだしたのはさらに1年後くらいです。

実際に大型大会に参加するようになったのはどの大会からですか?

最初は2022シリーズのシティリーグだったのですが、当時は大会の種類もしっかり把握していない状態で、軽い気持ちで応募したような状態でした。それからさらに約1年経って、「チャンピオンズリーグ2023 京都」に参加したことをきっかけに、意識が変わり始めました。マッチング運にも助けられまして、初挑戦のチャンピオンズリーグでしたがDAY2に進むことができたんです。それ以降、大会で勝利することを目的のひとつとして意識するようになりました。

02 得意なデッキ

考えるポイントを絞ることで より深く集中して答えを導く

得意な戦いかたを教えてください。

まだまだ経験の浅い部分もありますが、これまでにいい結果を残せたという点で見れば2回目の番からガンガン攻撃していけるような攻めのスタイルが得意かなと思っています。とくにタケルライコexのデッキは2025シリーズはかなり使い続けてきました。

どういうところが自分に合っていると感じますか?

マシマシラの特性「アドレナブレイン」を絡めたサイドのまとめどりを前提とした戦いかたは、率直に言ってしまうと自分にはまだ難しいと感じています。タケルライコexのデッキであれば1匹ずつポケモンを倒していくしかないので、考える箇所を絞ってプレイングにリソースを集中できるというのが自分に合っていると思います。序盤のヨルノズクの特性 「ほうせきさがし」の使いかたがもっとも重要なデッキなので、そこにとにかく脳のリソースを集中するようなイメージでいます。

03 デッキ作りで
大事にしていること

「じゃんけんは必ず自分が負ける」 運が悪い状態を前提としたデッキ作り

デッキ作りで大事にしていることを教えてください。

まず、対戦準備のじゃんけんは必ず自分が負けるという前提でデッキを作ります。たとえばドラパルトexのデッキであれば、絶対に相手に後攻を取られるという前提で考えだすので、それだと自分では扱いづらいなと考えます。タケルライコexのデッキはじゃんけんで負けても先攻を譲ってもらいやすいというのがいいところです。また、対戦中の運も悪いことを前提としています。うまく手札が揃えば強い、というようなことは一切考えずに再現性をひたすら高めるように作ります。

何かトラウマがあったりしますか……?

いえ、そういうことではなく(笑)。あくまでもそう考えておいた方が勝率は高くなると思っているだけです。備えあれば患いなしというやつですね。

安心しました。

もうひとつ挙げるとすれば、すべてのデッキに勝ち越すことは諦めるようにしています。たとえばタケルライコexのデッキであれば、リザードンexやサーナイトexに対しては勝率4割程度の想定で妥協しています。これは「ポケモンWCS2025」の環境だとそれらのデッキはそこまで多くならないという判断のもとです。たとえばBO1のルールであれば、また話は変わりますね。

04 一番思い出に残っている
大会、使用したカード

シティリーグでの初優勝が ポケカプレイヤーとしての転機に

いちばん印象に残っている大会は何ですか?

「シティリーグ2025 シーズン2」です。その前にシーズン1のシティリーグでTOP4に入ったのでCSPを50ポイント獲得していまして。その時点では80ポイントのプロモカードを目指そうって思っていたんです。世界大会なんて自分には縁のないことだと考えていました。それがシーズン2で初めての優勝をしたことで状況が大きく変わりまして。もしかすると、もしかするのかもしれないくらいに意識するようになりました。

具体的にはどのような変化がありましたか?

それまではあくまでも楽しむことを第一としたデッキ選択や取り組みかたをしていましたが、真剣に勝ちを目指したものに切り替えました。結果としてシーズン3はやや振るわずTOP16となりましたが、シーズン4で再度優勝することができたんです。かなりギリギリのラインではありましたが、結果として世界大会の権利を獲得できました。という流れを振り返ってみると、シーズン2の優勝がターニングポイントだったなと思います。

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目標を高くしすぎず、平常心を保つこと

初参加の世界大会で3位入賞と素晴らしい結果を残されましたが、そこまで勝ち上がれた要因についてはどう分析されていますか?

まずは運が良かったです。DAY1の1戦目、隣の卓でイワパレスが戦っていました。ひとつでも席がずれていたら負けていたと思いますし、その後もそういった積み重ねがあったんだろうなと想像します。ひとつ良かった点としては、今回が初参加ということで目標を高くしすぎなかったというのはあると思います。あと何勝でつぎに進むとかは考えず、毎試合目の前の対戦に集中できていました。おかげで練習どおりの動きができているという実感もありました。配信卓で行われたPIPER選手との準々決勝でも2戦目にものすごい引きをされて負けてしまいましたが、「ここまで勝ち上がってきている人なのだから、それくらいの運はあっておかしくない」と冷静に考えることができていました。しいて言えばそんなところだと思います。

05 好きなカードとその理由

決まったときの気持ちよさは格別! チャーレムVのワザ「ヨガループ」

好きなカードを教えてください。

ワザ「ヨガループ」を持っているチャーレムVです。以前のシティリーグで使っていたれんげきウーラオスVMAXとインテレオンを組み合わせたデッキに採用していて、とにかくワザ「ヨガループ」が決まったときの気持ちよさが最高で、使っていていちばん楽しいデッキだなと思います。

ロマンと実用性のバランスがいいですよね。

ですね。最近のカードでいうと、フトゥー博士のシナリオも好きです。場のポケモンを手札に戻すという効果のカードですが、ダメカンがのったポケモンを手札に戻したり、サイドを2枚以上とられるポケモンが場にいない状態を作り出したり、「にげられない」効果の対策になったりと使いかたのバリエーションが豊富なところが気に入っています。1枚入っているだけでデッキの幅が広がるカードだと思います。

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世界3位でも慢心しないメンタリティ

すでに「ポケモンワールドチャンピオンシップス2026」の出場権を得ていますが、つぎの目標についてはどう設定していますか?

じつは、来年の世界大会出場権があることは日本に帰ってきてから知ったのですが、せっかく出られるのであればいまのうちから真面目に取り組もうという気持ちにはなっています。ただ3位という結果はシーズン開始時の自分から見れば想定のはるか上すぎて、大金星というレベルですらないと感じます。なので目標としてはとくに変わることなく、目の前の一戦一戦をおろそかにせず、丁寧に試合に取り組みたいと思っています。そうしていれば、いつの間にかいいところまで行っている……と、いいなぁという心持ちでいたいですね。

06 よく行くジム

試合中に考えることを減らすため 事前に状況ごとのひとり回しをくり返す

よく行くジムはどこですか?

TSUTAYA Trading Card 北千住に週1くらいで通っています。普段はだいたい32人、多いときは64人規模でのジムバトルが行われていて、いろいろな方と対戦できるのが嬉しいです。しかも朝の10時半からやってくれるので、朝はTSUTAYA Trading Card 北千住で参加して、時間が合えば夕方に別の場所で出られるというのもありがたいです。

ジムバトル以外だと普段はおもにどんな練習をされているのですか?

自分は特定のメンバーで集まって練習とかはしていないので、基本的にはひとり回しをすることが多いです。片方は自分が使うタケルライコexデッキ固定で、対面はいろいろなデッキを想定して練習をします。相手の手札がいいときはここまで、悪いときはここまで動けるというのをパターン分けして反復練習をしておくことで、実際の対戦中に相手の動きを高い精度で先読みすることができるようになります。そうやって対戦中に考えることを減らしておくように意識しています。

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手を動かすだけでなく、考える時間も必要

ほかに、ナカガワ選手なりの練習方法があれば教えてください。

通勤時間などの空いた時間には対戦のシミュレーションをするようにしています。お互いの手札や盤面も細かく想定しながら、対戦を進めていきます。どこかで難しい局面がやってくるので、プレイングでどうにかできるのか、デッキのカスタマイズが必要なのかを検証します。そうしていろいろなアイディアを考えておいて、家に帰ったらひとり回しで試してみるっていうのをよくやっています。

脳内で対戦をシミュレートするのがまず簡単でない気がしますが、まずはそれができるようになるくらいデッキの理解度を高める必要があり、そのために質の高いひとり回しを普段からしておくわけですね。

そうですね。実際の対戦だと1手ずつ巻き戻しながらいろいろなパターンを試すのは難しいですが、ひとり回しなら自由にできます。そういった意味では、1回の対戦で得られる経験値はひとり回しの方が多くなるのかなと思っています。複数人でチームなどを組んで練習するプレイヤーも多い中で、自分のようなやりかたをしている人でも頑張れば意外といい結果が出せるぞっていうことが少しでも伝われば幸いです。

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