ポケカを始めたきっかけを教えてください。
大学生のころに所属していたポケモンサークルの仲間に影響されて始めました。最初はゲームの対戦ばかりやっていたのですが、気づけばポケカをメインで遊ぶようになっていましたね。それが拡張パック「光を喰らう闇」が発売された頃なので、2018年だったと思います。
より本格的にポケカに取り組むようになったのはいつ頃からでしたか?
「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2018」です。大会が終わった後にサークル仲間で打ち上げをしたのですが、そこにOBの先輩方がいらっしゃっていて。卒業して離れ離れになった仲間たちとポケカを通して再会して楽しそうにしている姿が羨ましくて、今後もポケカを続けていこうと思うようになりました。
ポケモンサークルの輪はいまも健在
実際に卒業後もサークル仲間とは会われているんですか?
はい。定期的に当時の仲間たちを集めて同窓会のような感じで大会を開いています。ほかにも年代は結構上なのですが、ガルシアことハセガワタクヤ選手(「チャンピオンズリーグ2021
愛知」オープンリーグ優勝)も同じサークルの先輩でして、いまも仲良くさせてもらっています。またショウムラタクヤ選手(「チャンピオンズリーグ2023
愛知」オープンリーグ優勝)も大学こそ別ではありますが、ポケモンサークル繋がりで仲良くしてもらっていまして。僕が毎年エクストラレギュレーションの大会に出ているのはショウムラ選手に誘われたからというのがほぼすべてなので、「チャンピオンズリーグ2025
愛知」(以下、「CL2025 愛知」)で優勝できたのは彼のおかげだと思っています。何はともあれ、当時の縁がいまもしっかり繋がっていて嬉しい限りです。
トップティアのデッキに
オリジナルのエッセンスを加えて
得意な戦いかたを教えてください。
その環境でもっとも強いと言われるデッキを使って戦うのが得意です。そのうえで、デッキの内容を主流のものとは少しだけ変えてオリジナリティを出しているときがいちばん勝てている実感があります。
「CL2025
愛知」の優勝インタビューでも、レジドラゴVSTARデッキは先攻を取るのが主流だけど、あえて後攻に寄せた構築を組んだと言っていましたね。
はい。ほかにもルギアVSTARデッキにワザ「ハザードクロー」のドラピオンVという、ほとんど使われていなかったカードを入れてシティリーグで優勝したこともあります。そういうデッキを使っているときがいちばんおもしろいし、結果も出ている気がします。戦いかたという意味でも、宣言するワザの選択肢がたくさんあるデッキを好んで使います。いわゆるトップティアと呼ばれるものは臨機応変に対応できるデッキが多いので、要するに強いデッキが好きということなのかもしれません。
要所で光り輝くカードよりも
つねに一定の働きをするカードが優先
デッキ作りで大事にしていることを教えてください。
特定の相手やタイミングで真価を発揮するカードよりも、それらを問わない汎用的なカードを多くデッキに入れるようにしています。トップティアのデッキを好んで使うという話にも繋がってくるのですが、自分のデッキを想定通りに動かせば勝てることが多いんです。だから相手を妨害して弱らせるよりも、自分の強いデッキを安定して動かす方を優先するという感じです。
そのうえで、オリジナリティを発揮するカードというのはどのようにして思いつくのでしょうか。
負けたり上手くいかなかったりした対戦で生じた問題や不満の共通点を探して、それを解決できるカードがないか探していくと思いつくことが多いです。もともとパワーの高いデッキを使っているので、うまくいかないパターンってそこまで多くないんですよ。そのうちいくつかを解決することができれば、かなりクオリティの高いデッキが出来上がると思います。
美術館で絵画の成り立ちを考察!?
ポケカ以外に趣味はありますか?
本当にたまに行く程度なのですが、美術館が好きです。特別好きな画家や芸術家がいるわけではないのですが、絵画を見ながら「どうしてこのように描かれたのか」を自分なりに考えるのが好きなんです。
ユニークな楽しみかたですね。
大学を卒業する直前、美術館に1度も行ったことがないのもどうかと思って訪れた際に「聖ゲオルギオスと竜」という作品を観ました。馬に乗った男が竜を槍で倒している絵なのですが、僕らがイメージする竜とは姿が違っていて。大学では農学部だったのもあって生物には興味があったので、どうしてこんな姿なのか気になったんです。それでよく観てみると、描かれている竜の身体の特徴が鳥に近いような気がして。じゃあ当時の人は竜を鳥に近い生物だと捉えていたのかなとか、いろいろ考えていたらあっという間に時間が経ってしまったんです。それ以来、絵を見ながらぼーっと考えるのが結構好きになりましたね。もちろん絵画に詳しいわけでもないですし、結論なんて出ないのですが(笑)。
記録よりも記憶に残る
サークル仲間と行った新潟遠征
いちばん印象に残っている大会は何ですか?
「チャンピオンズリーグ2019
新潟」にサークルの仲間たちとみんなでワイワイ言いながら遠征したのが最高に楽しくて、いまでもよく覚えています。結果自体は4勝3敗とかで可もなく不可もなくだったのですが、大会にみんなで行ったこと自体がいい思い出です。
青春ですね……!
もうひとつ、「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2023」は初めて大型大会の決勝トーナメントに残れた大会ということで印象深いです。1回戦ですぐに負けてしまったのですが、その相手がササキヒロム選手だったというのも印象的です。彼も別の大学のポケモンサークルに所属していまして、特別仲が良かったわけではないものの当時からの知り合いだったんです。ここでの対戦をきっかけにより仲良くなって、いまでは彼のYouTubeチャンネルでカメラマンをしていたりもするくらいなので、それも込みでいい思い出になっています。
拝啓、友人たちへ。一緒にポケカしませんか
優勝された「CL2025 愛知」から少し日が経ちましたが、いま改めて想うことは何かありますか。
やっぱりポケモンカードは楽しいなと。僕自身はずっとそう思って続けているのですが、友人の中にはやらなくなってしまった人たちもいて。僕は今回優勝したことで、2026シーズンのチャンピオンズリーグはすべて優先参加権を得ています。この場で私信を述べるのは大変恐縮なのですが、「お前がいるなら久しぶりに出てやるか」と思って応募をしてくれる人がいてくれたらいいなと思っています。ひとりでもふたりでもいいので、ポケモンカードをまた遊び始める理由のひとつになれたらいいなと思っています。
カードの性能もキャラクターも
ナンジャモがいちばんのお気に入り
好きなカードを教えてください。
いちばん好きなのはナンジャモです。ナンジャモというキャラクターが好きなことに加えて、相手の手札に干渉する効果を持つカードの中でも、とくに汎用性が高いところが気に入っています。それとグズマも好きですね。初めて買った拡張パックがグズマとグソクムシャGXが入っている「光を喰らう闇」で、それらを軸にしたデッキも組んでいたので思い入れがあります。シンプルに効果もめちゃくちゃ強くて、グズマが使えるからエクストラレギュレーションをやっているといっても過言ではないです。ほかには、特性「うらこうさく」のジメレオンやインテレオン、特性「ほうせきさがし」のヨルノズクみたいな山札から好きなカードを手札に加えるタイプのカードも好きです。
好きなポケモンはどうですか?
昔ゲームをやっていたころはメガゲンガーをよく使っていたので、ゲンガーが好きです。「CL2025
愛知」で優勝してからはレジドラゴもすごくかわいいなと思うようになってきました(笑)。
ジムバトルの時間には間に合わないものの
仕事帰りに閉店まで、大人どうしのバトル
よく行くジムはどこですか?
トーナメントセンターバトロコ
川越駅前店です。就職を機に引っ越したので近所に友人がいなかったのですが、ジムバトルに参加することで徐々に知り合いが増えていったのが嬉しかったですね。最近は仕事の帰りが遅くなってしまったのでジムバトルには間に合わないのですが、それでもジムバトルがある日は仕事帰りに寄って同じ時間にいる人たちと対戦しています。
ジムバトルには参加できずとも、ポケカをする頻度自体は高いんですね。
意外と同じような境遇のサラリーマンたちがけっこういるので、みんなで閉店までフリー対戦をしています。