
5月3日(土)と4日(日)に開催された「チャンピオンズリーグ2025 愛知」(以下「CL2025 愛知」)の各リーグ優勝者にインタビューを実施しました。実際に使用されたデッキとあわせてご紹介します。
マスターリーグ優勝 ヒロハマ ジョウイチロウ選手

―――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
めちゃくちゃ嬉しいです。でも、気付いたら優勝していたという感じで、まだ実感が湧いていません。
―――ヒロハマ選手は今シーズンからマスターリーグに上がったばかりなんですよね。「チャンピオンズリーグ2025 東京」でフジタ ハルト選手が優勝したときもそうでしたが、シニアリーグのレベルの高さを感じさせられますね。
ハルト君とも繋がりがありますし、大会直前はスズキ イッテツ選手(「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2023」シニアリーグ優勝)やイトウ タイセイ選手(「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2024」シニアリーグ優勝)、シオカワ セイノスケ選手(「ポケモンワールドチャンピオンシップス2024」のマスターカテゴリ準優勝)たちともいっしょに練習をさせてもらっていました。
―――そうそうたる面々ですね......!
練習に付き合ってくれたみんなのおかげで今日の結果があると思うので、感謝を伝えたいです。
―――今回のデッキを使用することに決めた経緯について教えてください。
じつは大会当日の深夜2時くらいに友だちから勧められて急遽使うことにしたんです。一応候補にしていたデッキはあったのですが、なかなかうまくまとめられなくて。ドラパルトexもリザードンexも大好きなカードなので、その2枚の組み合わせということで惹かれたのもありますね。
―――実際の対戦の中で、とくに活躍したカードは何でしたか?
イーユイです。今回、DAY1では7戦中6戦、DAY2も合わせると10戦がタケルライコexデッキとの対戦でした。タケルライコexデッキに入っているオーガポン みどりのめんexの弱点を突いて一撃で倒せて、かつイーユイは倒されてもサイドを1枚しか取られないので本当に頼もしかったです。

―――人気のデッキとはいえ、極端なマッチングだったんですね(笑)。そのマッチングで勝ってきたということは、タケルライコexデッキ相手はかなり自信があるのでしょうか。
相性的には少し不利かなと思っています。ポケモンのカードを手札に加えたり、場に出すことができるグッズが最初の手札にどれだけあるかが重要なのですが、決勝戦ではなかよしポフィンとネストボール、ハイパーボールもあったのでかなり動きやすいなと思いながらプレイしていました。 そのうえで、やはりイーユイの活躍がタケルライコex戦ではカギになっていると思います。
―――改めて、マスターリーグは数多くの参加者がいる中でチャンピオンに輝かれました。その王座を目指す多くのポケカプレイヤーたちに対して、伝えたいことはありますか?
僕自身がこの1年ずっと自分に言い聞かせてきたことなのですが、いつか自分の日が来ることを信じて毎日コツコツと練習に取り組むことが大事だと思います。
―――「ポケモンワールドチャンピオンシップス2025」(以下、「ポケモンWCS2025」)に向けて意気込みをお願いします。
普段は、配信にもすこし映っていたカネコ シンヤ選手(「チャンピオンズリーグ2024 愛知」マスターリーグ優勝)のご自宅で毎週練習させていただいていまして。引き続き、「ポケモンWCS2025」に向けてコツコツと練習を続けていきたいと思っています。昨年の「ポケモンWCS2024」では思うように勝てなかったので、今年こそDAY2に進んで決勝トーナメントに残れるように頑張ります!
シニアリーグDAY1優勝 ヌマタ ソウ選手

―――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
チャンピオンズリーグでの優勝は初めてなので、めっちゃ嬉しいです!
―――優勝できた要因は何だと思いますか?
前日に友だちにボコボコにされたことですかね(笑)。大会当日の分まで負けを使い果たしたおかげで、今日は無敗で優勝できました。練習してくれた友だちには感謝しています。
―――今回のデッキを使用することに決めた経緯について教えてください。
友だちに強く勧められて、1週間前くらいに使うことを決めました。ロケット団のびっくりボムのコイントスで裏がでても、マシマシラの特性「アドレナブレイン」で相手のポケモンにダメカンをのせ替えることができるところが強いと思います。


―――大会を通して、とくに印象的だった試合はありますか?
決勝戦です。終盤にロケット団のびっくりボムを使ったとき、コイントスで表がでたらそのままサイドをとりきって勝てたのですが、裏だったので勝ち切れずに相手の番になってしまって。もうダメかもと思いましたが、相手の方も勝ち切るために必要なカードを持っておらず、なんとか勝つことができました。すごくヒヤヒヤしたので印象深いです。
―――決勝戦では終盤にキチキギスexをバトル場に呼び出されて、マラカッチのワザ「おいつめる」の効果でにげることができなくなる場面がありました。ユキメノコの特性「いてつくとばり」でじわじわとダメカンが蓄積していくので苦しい状況だったと思いますが、あの時はどんなことを考えていましたか?
勝ち筋はおもに2種類あると考えていました。フトゥー博士のシナリオが引ければバトル場のキチキギスexを手札に戻せますし、夜のタンカが引ければマシマシラを用意して特性「アドレナブレイン」を使うことで相手のポケモンをきぜつさせられます。そのどちらかを引けるように祈りながら、キチキギスexの特性「さかてにとる」を使いました。結果的に夜のタンカが引けたので後者のパターンで勝てました。



―――今大会でとくに活躍したカードは何でしたか?
ヒーローマントです。ブリジュラスexにつけると、こちらの残りのサイド枚数が少ない場合でもリザードンexのワザ「バーニングダーク」を耐えられるようになります。その返しに、ジーランスの特性「きおくにもぐる」の効果で ジュラルドンのワザ「レイジングハンマー」を使うことでリザードンexを倒すことも可能です。実際の対戦でも想定通りの動きができたので、大活躍でした。



―――「ポケモンWCS2025」に向けて意気込みをお願いします。
「ポケモンWCS2025」でも優勝します!
シニアリーグDAY2優勝 ミツキ ダイシ選手

―――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
まさか優勝できるとは思っていなかったので、とても驚いています。決勝トーナメントに上がって「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2025」(以下、「PJCS2025」)の権利がとれればいいなと思って参加したので、その先の「ポケモンWCS2025」の権利まで獲得できてしまって信じられないほど嬉しいです。
―――ここまで勝ち上がれた要因は何だったと思いますか?
今回はサーナイトexのデッキを使ったのですが、苦手なリザードンexやマリィのオーロンゲexのデッキを友だちに使ってもらって直前まで練習していたのがよかったんだと思います。 予選でもリザードンexに当たりましたし、準決勝でもマリィのオーロンゲexと当たりました。そこで勝てたのは練習していたおかげだと思うので、付き合ってくれた友だちに感謝を伝えたいです。


―――今回のデッキを使用することに決めた経緯について教えてください。
もともとはユキメノコとマシマシラのデッキを使おうと思っていたのですが、大会前になって急にジムバトルとかでも勝てなくなってしまって。それで自信が無くなってしまったので使い慣れたサーナイトexのデッキに変更しました。
―――1日を振り返って、デッキに入れていて良かったと思うカードは何かありますか?
3枚目のサーナイトexです。じつは直前に2枚でいいのではないかと悩んでいたのですが、安定性を重視して3枚に戻したんです。大会中に1度だけですが、サーナイトexが2枚サイドに行ってしまった対戦があったので、3枚目が無かったら危なかったと思います。
―――1枚の差で結果が大きく変わっていそうですね......! ほかに印象的だった試合はありますか?
予選の1回戦で古代のポケモンたちを使ったデッキと対戦して、なんとか粘りつつも負けてしまったんです。シニアリーグでは7勝1敗で勝率が同じでも順位次第で決勝トーナメントに上がれない可能性があります。なので初戦で負けてしまったら、その後全勝できてもダメかもしれないと思ったのですが、なんとか切り替えて予選を戦いきることができました。結果、15位でギリギリ決勝トーナメントに上がれたので対戦相手にも恵まれたと思います。
―――「ポケモンWCS2025」に向けて意気込みをお願いします。
以前出場した「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」では、DAY2に進むことができませんでした。でも、当時と違っていまはいっしょにポケカの練習をする仲間がいます。みんなでいっしょに大会に出場して、よりよい結果を残せるように練習に励みます。
ジュニアリーグDAY1優勝 サダキヨ シンノスケ選手

―――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
チームの仲間、いっしょに練習してくれた人たち、必死に応援してくれた両親。みんなへの感謝の気持ちでいっぱいです。
―――決勝戦でも観客席からの歓声がすごかったですね。
みんなが「シンノスケー!」って叫んでいるのが聞こえて、嬉しくて泣きそうになりました。みんなの期待に応える結果を出せて、すごく嬉しいです。
―――リザードンexとヒビキのバクフーンを組み合わせたユニークなデッキを使用されていました。どういった経緯で作り上げられたデッキなのでしょうか。
ヒビキのバクフーンがおもしろいなと感じていたので、とにかく使いたかったんです。最初はドラパルトexと組み合わせてみたのですが、ドラパルトexはほのおエネルギーだけでなく超エネルギーも必要なこともあって動きが窮屈でした。 それで悩んでいたときにパパがリザードンexとヒビキのバクフーンを組み合わせたデッキを使っていたので、そっちの方が強そうだと思って使わせてもらいました。

―――ドラパルトexと比べて、リザードンexとの組み合わせはどんなところが強いと思いますか?
まず、リザードンexに進化するだけでエネルギーをつけられるので準備が難しくありません。 またワザのダメージも条件次第ですがかなり高くなるので、ヒビキのバクフーンでは倒せないポケモンも倒してくれます。そのふたつが、ドラパルトexにはない強みだと思います。
―――デッキの構築でとくにこだわったポイントはありますか?
あえてナンジャモを1枚も入れていないところは特徴的かなと思います。 ヒビキのマグマラシの特性「たびのきずな」でヒビキの冒険を必ず手札に加えられるので、相手がナンジャモを使ってくれたらむしろラッキーだと思いながらプレイしていました。


―――今大会でとくに活躍したカードは何でしたか?
シャリタツです。直前までシャリタツは必要ないのではないかと思っていたのですが、決勝戦では特性「きゃくよせ」で欲しいサポートをたくさん持ってきてくれました。迷いながらもデッキに入れておいて本当によかったです。

―――「ポケモンWCS2025」に向けて意気込みをお願いします。
絶対に優勝します!
ジュニアリーグDAY2優勝 ハシモト ユウヒ選手

―――ユウヒ選手は前回の「チャンピオンズリーグ2025 宮城」(以下、「CL2025 宮城」)に続き、なんとチャンピオンズリーグ初の連覇を達成されました。おめでとうございます。いまのお気持ちを教えてください。
今回がジュニアリーグ最後のチャンピオンズリーグだったので、優勝で終わることができて、しかも連覇も達成できて本当に嬉しいです。自分ひとりの力では成しえないことだと思っているので、一緒に練習してくれる師匠やチームの仲間、応援してくれる人たちに感謝しています。
―――「CL2025 宮城」と同じくドラパルトexのデッキを使われていますが、デッキの内容はすこし変化していますね。カスタマイズの理由を教えてください。
「CL2025 愛知」は前回と比べてサーナイトexのデッキが増えそうだなと思っていました。サーナイトexデッキとの対戦では、リーリエのピッピexの特性「フェアリーゾーン」の影響でこちらのポケモンがどんどん倒されてしまいます。 そうなるとエネルギーをつける速度が間に合わずに負けてしまうことが多いので、ACE SPECのカードをアンフェアスタンプからきらめく結晶に変更しました。 またワザマシン エヴォリューションやアカマツも採用し、前回よりも展開のスピード感を重視した構築にしています。



―――前回は勇気のおまもりが大活躍だったとお話しされていましたが、今回はどのカードがとくに活躍しましたか?
今回はシャリタツですね。最初の番で積極的に特性の「きゃくよせ」を使ってサポートを引きに行く動きが多かったですし、準決勝ではボスの指令を引けば勝ち、引けなければ負けという局面でしっかりボスの指令を引き寄せてくれました。優勝に大きく貢献してくれたと思います。
―――「CL2025 宮城」で優勝されてから、今大会までにどんな準備をされましたか?
準備自体は前回とだいたい同じです。サーナイトexのデッキが増えると思ったので、その対策を師匠やチームの仲間たちといっしょに考えながら練習をしていました。あとはバチュルのワザ「バチュチャージ」を軸にした雷タイプのデッキも増えると思ったので、その対策も準備していました。 サーナイトex対策とも重なる部分が多いですが、相手の展開速度に付いて行くためのアカマツやきらめく結晶、それからガチグマ アカツキexの採用などがそうです。決勝戦の相手がまさしくバチュルのデッキだったので、準備通りに勝つことができてよかったです。

―――今後の目標について教えてください。
「PJCS2025」も「ポケモンWCS2025」も優勝して、ジュニアリーグ最後の年を最高の形で締めくくりたいです。
オープンリーグ優勝 オダガキ ケイゴ選手

―――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
これまでチャンピオンズリーグの決勝トーナメントは3回経験していますが、いつも1回戦か2回戦で負けてしまっていました。今回ようやく優勝することができて本当に嬉しいです。世界大会への出場も念願だったので、出場権を獲得できて感無量です。
―――使用されたデッキの特徴を教えてください。
レジドラゴVSTARのワザ「りゅうむそう」の効果で、トラッシュにあるドラゴンタイプのポケモンが持っているワザを何でも使えます。 「ポケモンカードゲームBW」シリーズから最新のカードまで、すべてのドラゴンタイプのポケモンのワザを使えることになるので、エクストラレギュレーションを象徴するようなおもしろいデッキだと思います。

―――デッキのこだわりポイントについても教えてください。
エクストラレギュレーションにおけるレジドラゴVSTARデッキは基本的に先攻を選択される方が多いと思います。そこをあえてスボミーを採用するなどして後攻に寄せた構築にしているところがこだわりポイントです。
―――なぜ後攻を選択しようと思われたのでしょうか。
先攻を取ると、相手のバトルポケモンがソーナンスやカプ・テテフGXだった場合に相手がどんなデッキなのか判別が付かなくて、最初の番のプレイがかなり難しくなってしまいます。たとえばワザ「ロストおくり」を持ったキリンリキが入っているかいないかで重大な分岐が起き得るので、相手の様子を見てから動き出せる後攻を取りたいと考えました。



―――大会を通して、とくに印象的だった試合はありましたか?
決勝戦でのレジドラゴVSTARどうしの対戦が印象深いです。対戦相手の方が先攻最初の番にかなり理想的な動きをされていて、こちらはかなり苦しい動き出しになりました。 ですがあの手のデッキは安定性を高めるサポートがあまり採用されておらず、バトルサーチャーを使ってサポートを使いまわす展開になることが多いです。そのためこちらはスボミーのワザ「むずむずかふん」を使うことで相手の動きを鈍らせ、その隙に徐々に巻き返すことができました。デッキのコンセプト通りの動きが決勝戦で綺麗に決まって勝てたのでひときわ嬉しかったです。


―――エクストラレギュレーションならではの魅力はどんなところですか?
シンプルに使えるカードの種類が多いので、戦術の幅が圧倒的に広いです。 エクストラレギュレーションでしか成立しないようなコンボがたくさんあっておもしろいです。中でもバトルサーチャーやバトルコンプレッサーのようなトラッシュを積極的に活用するカードがたくさんあるのが現行のスタンダードレギュレーションとは大きく違う点だと思います。

―――「ポケモンWCS2025」に向けて意気込みをお願いします。
第6期ポケカ四天王のササキヒロム選手とは仲が良いのですが、「CL2025 宮城」で僕がTop16で負けたときに彼から叱咤激励の言葉をもらっていまして。そのおかげか今回優勝できて、「ポケモンWCS2025」にも彼といっしょに参加できることになったので、引き続き切磋琢磨していければと思っています。世界大会出場は初めてなので「優勝します」なんて大それたことは言えませんが、可能な限り勝ち続けられるように頑張りたいです。
2025シーズンのチャンピオンズリーグは、これにてすべて終了となりました。シーズンを振り返ってみると、マスターリーグではフジタ ハルト選手とヒロハマ ジョウイチロウ選手がマスターリーグ1年目での優勝。シニアリーグではウメハラ ハルク選手が快進撃を続けており、ジュニアリーグではハシモト ユウヒ選手が連覇を達成するなど、若い世代の選手たちの活躍が目立っていた印象です。
彼らに限らずとも、応援したい選手を見つけることで今後に控える「PJCS2025」や「ポケモンWCS2025」を何倍も楽しめるようになるはずです。実際にプレイするのはもちろん、試合観戦でもポケカを存分に楽しんでもらえれば幸いです。
さて、日本一をかけた真剣勝負が行われる「PJCS2025」は、6月21日(土)・22日(日)に開催されます。大会に参加される方も、会場で応援される方も、配信で視聴される方も、どうぞお楽しみにお待ちください。