INTERVIEW
開発者インタビュー

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ポケモンカードゲームの開発に携わる、
株式会社クリーチャーズの長島さんに、
25周年を迎えるポケモンカードゲームが長きに渡って愛される理由や、
遊びの開発の部分について語っていただきました。

ポケモンカードゲームが25周年を迎えるにあたって

ポケモンカードゲームは今年、25周年を迎えます。長年にわたって人々に愛されているのは、どのようなことが要因だと思いますか。

まず最初に言えるのは、ポケモン自体が愛されていることが大きいのかなと思います。また、ポケモンカードゲームはこれまで、基本的な遊び方を変えていません。一度離れてもまた戻ることができるし、昔ポケモンカードゲームで遊んでいた子供たちが親世代になり、ルールを思い出しながら自分の子供たちと一緒に遊ぶなど、大人も子供も同じ目線で楽しめる遊びになってきたかなと思っています。そこが一番大きな要因だと思います。

拡張パック「25th ANNIVERSARY COLLECTION」と「プロモカードパック 25th ANNIVERSARY edition」に登場するポケモンとキャラクターは、どのように選定しましたか。

25年という歴史を振り返り、ポケモンの世界にあるすべての地域から、ポケモンとキャラクターを選りすぐりました。今回の目標は、始めたばかりの人から、昔からずっと好きでいてくれる人まで、すべてのファンの皆様に喜んでいただくことです。ピカチュウのようなよく知られているポケモンや、オーキド博士のようなおなじみの面々だけでなく、リザードン、ブラッキー ★、カプ・テテフGXなど、ポケモンカードゲームの歴史の中で象徴的なカードも選んでいます。色々な種類のカードを発見できるようになっているので、プレイヤーの皆様にわくわくしてもらえると思います。

25年の歴史を振り返って

20年以上に渡って制作に携わりながらも、制作者として興味やワクワク感を維持できているのはなぜでしょうか。

さらに楽しんでもらえる遊びにするために、常に新しい挑戦をしているからです。今遊んでくれている人達はもちろん、まだポケモンカードゲームを手にしたことがない人たちにも、楽しんでもらえる遊びにしたいと思っています。また、新しいポケモンが次々と増えていくので、その個性をどのようにして魅力的にカードに落とし込むか、毎回楽しんでいます。

制作者の立場から見て、これまでのポケモンカードゲームの歴史の中で、最大、あるいは最も顕著な変化は何だったとお考えですか。

私達が作ったポケモンカードゲームが、実際にどうやって楽しまれているかを見る機会がとても増えたと思います。近年では、SNSやYouTube等で、個別のカードに対する感想や、プレイヤー同士の対戦、パックの開封の様子など、ポケモンカードゲームを楽しむ様子がリアルタイムで見られるようになり、時代に合わせて新しい楽しみ方が生まれています。世界中のファンがポケモンカードゲームの楽しさを気軽に共有できていることを、開発者として嬉しく感じています。

ポケモンカードゲーム25年の歴史の中で、最も特別な瞬間はいつでしたか。

「ポケモンワールドチャンピオンシップス」を初開催したときです。世界中の様々なエリアからプレイヤーが集まり、ポケモンカードゲームを介してコミュニケーションを取るという、ポケモンカードゲームの理想が現実になったような場でした。

カード制作のプロセスについて

新しいカードに描かれるポケモンは、どのような方法で決定するのですか。

新商品のテーマを決める際には、ゲーム「ポケットモンスター」の世界がどのように描かれているか、という点から出発しています。 ゲームから新しいシステムなどのインスピレーションを得て、ポケモンカードゲームの商品やシリーズの骨格を作ります。 今までのポケモンカードゲームの対戦環境から、ポケモンのタイプなどを考慮しながら、メインとなるポケモンを4~5匹選定します。それを元に、全体を包む世界観を検討します。この段階でイメージイラストを簡単に起こします。 それからタイプや進化のバランス、キャラクターの人気、遊ばせたい仕掛けなどを考えながら練り上げた構成を元に、1枚1枚のデータやイラストなどの検討に入ります。

新しいカードの制作において、どのような創造的なプロセスがありますか?

制作において、もちろん新しいアイデアが必要ですが、過去の経験を活かすことも大事だと考えています。ポケモンカードゲームには、25年間積み重ねてきた成功や失敗があり、その経験を現在の新しい開発メンバーにインプットしているからこそ、新鮮な創造性が生まれてきていると思います。また、イラストの制作においては、ポケモンカードゲームのイラストレーターとして、150名以上の作家様が携わってくれています。つまり、150種類以上ものイラストのバリエーションがあるわけです。ポケモンカードゲームの魅力のひとつでもある、豊かなアートの世界を鑑賞したり、コレクションしたりする楽しみは、大勢のアーティストの力があるから成り立っているとも思います。

これまでで最も制作が困難だったカードはどれですか。そして、なぜそれほど困難だったのですか。

TAG TEAM GXですね。複数のポケモンを1枚のカードに描いて成り立たせるには、ポケモンの組み合わせやメカニズムだけではなく、アート表現の課題も多く、難しくてやりがいのある制作になりました。実際に商品として出来上がったものは、プレイヤーやコレクターに楽しんでもらえて、ポケモンの新しい表現を開拓することが出来ました。チャレンジして良かったと思っています。

ポケモンカードゲームの今後について

ポケモンカードゲームは今後、どうなっていくでしょうか。

今まで通り、遊び方の根幹は変えずに、世界中の皆様が新鮮に感じたり、驚いたり、笑顔になったりしてもらえるような遊びの開発を行っていきたいと思います。開発チームにも新しい力がどんどん加わっています。これからのポケモンカードゲームに、ぜひ期待してください!!