ミワ ハルキ

入賞履歴

  • 2023年チャンピオンズリーグ2024 京都 マスターリーグ 優勝

ポケカを始めたきっかけ ポケカを始めたきっかけ

想い出のゲームソフトがリメイクされ
ポケカのモチベーションもリブート

ポケカを始めたきっかけを教えてください。
小学校2年生くらいの頃に、当時習っていたバイオリンの発表会がありまして。その帰りにご褒美のような形で構築済みデッキを買ってもらったのがきっかけでした。たしか、「封印! サーナイトex」と「雷震! バンギラスex」のふたつだったと思います。父や弟といっしょに対戦して遊んでいました。
どうしてご褒美にポケカをお願いしたのですか?
ちょうどその頃に『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』で初めてポケモンに触れて、ポケモンが大好きだったんです。それに加えて、学校ではカードゲームが流行っていたこともあって、たまたま見かけたポケモンのカードが欲しくなったんだと思います。
それからずっとポケカを続けているんですか?
中学に入って部活動が忙しくなったタイミングで1度離れてしまって、再会したのは大学3年生のときでした。拡張パックでいうと「VMAXクライマックス」が発売された頃です。ゲームの方で『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』が発売されたのをきっかけに、僕の中でポケモン熱が再燃したんです。そして、どうやらポケカがいまアツいらしいというのを知って、またやってみようと思いました。

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初日にショップでカードと5時間にらめっこ

再開してからはどんな遊びかたをされていたんですか?
やろうと思ったその日にカードショップへ行って、ひたすらカードを眺めながらその場でカードを60枚買ってデッキを作りました。悩みに悩んで、結局買うまでに5時間もかかりってしまいましたが(笑)。そして翌日、朝8時からジムバトルに申し込んで対戦していました。
スタートダッシュの勢いがすごいですね! そこまでのモチベーションはどこから湧いてきたのでしょうか。
再開前の1週間くらいでポケカの動画をひたすら見ていたのですが、そこでヤマグチヨシユキ選手の活躍を知りました。地元が愛知県なので、子どものころに見かけたことはあったんです。僕も頑張って、彼に追いつきたいと思ったのがモチベーションの源になっていたと思います。

得意なデッキ 得意なデッキ

序盤中盤で慎重に準備を進めて
終盤に大きな花火を打ち上げる!

得意な戦いかたを教えてください。
人と比べて得意と言うのは難しいですが、何かしらデッキのキーとなる要素を用意しておき、終盤に打ち上げ花火のようなイメージで「ドンドンドーン!」といっきに披露するような戦いかたが好きです。そのためのリソースを管理しながら試合を進めて、ちゃんと成功率の高い状況を作って勝てたときは、ちょっとだけ自分を褒めてあげたくなりますね。
最後のとっておきとなるギミックはデッキによって異なると思いますが、序盤中盤と試合を進めるうえで意識しているポイントはありますか?
試合中というよりは準備段階なのですが、極端にアグレッシブなプレイをしたパターンと、反対に保守的にプレイしたパターンの両方を、失敗前提で何度も試すようにしています。その両面で限界を知っておくためです。その過程で「ここまではセーフ、この先はアウト」というラインを頭の中で作って、試合中はそれに従ってプレイします。本当は試合中にすべて思考しきれればいいのですが、僕にはそれができないので、感覚に頼る際の信頼値を上げておくような感じです。

デッキ作りで大切にしていること デッキ作りで大切にしていること

カード1枚1枚の役割を分析し、
ふたつの役割を同時に担えるカードを探す

デッキ作りで大事にしていることを教えてください。
派手に打ち上げる花火を用意したいのはやまやまなんですが、あまりに大きすぎたり複雑すぎる花火はそもそも打ちあがる前に負けてしまうので、成功する範囲を見極めることに時間を割くようにしています。たとえばロストゾーンを使うデッキにチャーレムVを入れてワザ「ヨガループ」で追加ターンを狙ったり、クロバットのワザ「クリティカルバイト」でサイドを2枚多く取ったりとかしたくなるんですけど、無茶はしすぎないように抑えます。
成功するかどうかのラインは、具体的にどう考えていますか?
おもしろそうなコンボに必要なカードのために、デッキを安定して動かすために必要なカードを減らすことは絶対にしないようにしています。そのうえでデッキにとっておきを組み込むには、そのデッキの中でカード1枚1枚が担う役割をしっかりと理解することが重要だと思います。そうしたら、ふたつの役割を1枚で同時に担えるカードを探すんです。すると、デッキの枠がひとつ空きますよね。それをくり返していって、デッキのクオリティを高めるようにしています。

一番思い出に残っている大会、使用したカード 一番思い出に残っている大会、使用したカード

「負けるたびに、しばらく落ち込むんです」
それでも戻ってこられるのは仲間のおかげ

いちばん印象に残っている大会は何ですか?
性格がネガティブなので、負けた大会ばかり覚えているんですよね。初めて参加した「チャンピオンズリーグ2022 横浜」の初戦、ものすごく緊張してシャッフル中にカードを落としてしまって。そのまま集中できずに気付いたら負けていました。「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」でも2勝3敗と勝ち切れず、直近では「ポケモン竜王戦2024」でも準決勝で負けてしまい、その後2週間は落ち込みました。
準決勝で負けって、つまりBest4なんですが……。しかも出ているだけですごい大会ですよ。ネガティブな性格だというのは伝わった気がします(笑)。それでも、ポケカをいまなお続けている理由は何だと思いますか?
人との関わりが大きいと思います。ポケカがひとりで完結するものであれば、もうとっくにやめてしまっているかもしれません。大会で自分が負けてしまった後も残っている人の応援をしたり練習に付き合ったりでポケカに触れる機会があって、一時的に嫌になってしまったとしても、つねに接点があるというか。いつでも手を引いてくれる仲間がたくさんいるというのが本当にありがたいと感じます。

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目標までの道のりは、いまだ長い

世界大会への出場、チャンピオンズリーグでの優勝など輝かしい実績を収められています。当初の目標であったヤマグチヨシユキ選手にも、かなり近づけたのではないでしょうか。
そうした結果を出せたこと自体はめちゃくちゃ嬉しいですし、一時的には満足したところもあったのですが、ヤマグチヨシユキ選手に限らず、数多くいる実力者たちに比べて自分の実力が十分であるとは思えないですね。優勝したときも、少なからず運が味方した部分があったと思っています。未熟な自分と彼らとのあいだには、まだまだ隔たりがあると感じますね。

好きなカードとその理由 好きなカードとその理由

大量のサイドをいっきに取るワザが
子どものころから変わらず大好き

好きなカードを教えてください。
「チャンピオンズリーグ2024 京都」でも活躍してくれたワザ「アクアストーム」を持つカイオーガが大好きです。カイオーガに限らず、複数のポケモンを同時に倒して形勢を一気にひっくり返すカードが大好きで、空の封印石なんかも好きですね。
そういった形勢逆転を好むようになったのはいつからですか?
本当に昔からで、大きなきっかけとしては小学校6年生くらいのときでしょうか。当時流行っていたガブリアス&レントラーデッキにオリジナル要素としてエンテイ&ライコウLEGENDを入れて使っていたことがあって。エンテイ&ライコウLEGENDはワザ「サンダーフォール」でポケパワーを持つおたがいのポケモン全員に80ダメージを与えられるんですけど、これが自主大会で大活躍したんです。それまでもサイドを大量に取るような派手なプレイは好きだったのですが、より一層好きになったのを覚えています。

よく行くジム よく行くジム

すこしでも空き時間ができると
近くのジムを調べてすぐに飛び込む

よく行くジムはどこですか?
ジムバトルにはよく行くんですけど、特定の店舗というのはあまりなくて。予定の合間に少しでも空き時間ができるとそのときいる場所の近くのジムバトルに飛び込みで参加するような感じなんです。なので、以前やっていた「ファーストエントリーキャンペーン」のスタンプが全然たまりませんでした。1個だけスタンプが押されているものが10枚くらいあるのですが、スタンプ2個でもらえるなかよしポフィンが手に入らなくて(笑)。
行動範囲が広いんですね。
だいたい秋葉原近辺なんですけど、思い付きで行動しちゃうタイプなので計画して同じ店舗へ行くことがなかなかできなくて……。でもジムバトルに行くときはどんな人がどんなカードを使っているのか分析することを目的にすることが多いので、いろいろな店舗が見られるのはいいことなのかもしれないです。

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ミワ選手と言えば、ロストゾーン
そのイメージに対する考えの変化

配信のコメントなどを見ていると、ミワ選手と言えばロストゾーンの人というようなイメージが付いているような気がします。ご自身としてはどう捉えていますか?
そのように見ていただいているのかなという認識ではいました。だからと言ってロストゾーンを使うデッキだけにこだわるのではなく、その時々の環境に合わせたデッキを使おう、と少し前まで考えていたんです。ただ、いまはすこし考えかたが変わっていて。せっかくそうやって人から認められるものがあるのに、それを活かさずに戦うのは、ある意味で傲慢なのかなと思うようになりました。もちろんほかのデッキでも練習はしますが、大会に向けては得意分野をさらに磨いていく方針にしてみようと考えているところです。