俵万智さんに聞く、子どもの「好き」と学び「対等な立場で遊んでいれば、大人も疲れないんです」

歌集、エッセイ、小説など多彩な方面で活動される俵万智さんは、ひとり息子のお母さんとしての一面も持っています。現在7歳になる息子さんは大の『ポケモン』好きで『ポケモンカードゲーム』のプレイヤーとのこと。

しかも、『ポケモンカードゲーム』を通じてカタカナ、算数などを覚えたといいます。何をきっかけに『ポケモンカードゲーム』に出会い、カタカナや算数を覚えるに至ったのか、そのエピソードを通じて、子供の遊びと成長について俵万智さんに語っていただくスペシャルインタビューです。

俵さん流の、息子さんとの「遊び」

俵さんは、いつもお休みの日にはお子さんとどのように遊ばれていますか?

本を読むことが多いですね。あと、子供は歩いていているだけでけっこう遊びを作るんです。今年は暑かったので、児童館に着くまでの道で干からびたミミズを数えたりしましたね(笑)。ほかには絵を描いたり、カードゲームもやったりします。

もともとカードゲームやテレビゲームにはどのような印象を持たれていましたか?

トランプやUNOなどのカードゲームは、頭を使ったりコミュニケーションのきっかけになったりするので好きなんです。あとボードゲームも好きですね。

でも、テレビゲームは私自身が接したことがないので、まだ警戒しています。すごくおもしろくてのめりこんじゃうみたいですし。まだニンテンドーDSは買っていないので、DSを買うときは決まりを決めて、パソコンと同じように、ルールを決めてやれればなと思っているところです。

パソコンはどういったルールを設けていますか?

やはりパソコンはとても触りたがって、それこそ『ポケモン』のサイトに行ってゲームをするなんて朝飯前なんですよね。

ですので、パソコンで遊ぶ時間は1日15分と決めています。それでもすごくやりたがるので、手作りの四角いマスを作って、“15分やらなかったらマスを塗っていい”という時間貯金をできるようにしたんです。

そうしたら、貯めるほうに夢中になったみたいで、「今日も我慢した!」と言って楽しそうにマスを塗っています。まんまと作戦に引っ掛かってくれていますね(笑)。

ただ、パソコンにまったく触らせないというのも現実味がありませんし、ルールを作ってほどほどに免疫をつけながら取り入れていけたらなと思っています。

ポケモンカードゲームとの出会い

お子さんが『ポケモン』に興味を示したきっかけは何でしたか?

息子は同じマンションに住んでいる4~5歳くらい上のお兄ちゃんに憧れていたんですが、そのお兄ちゃんたちがマンションの共有スペースで友達とカードゲームをしていたんです。

それを見た息子が、釘付けになって1時間くらいずっと立ったまま真剣に見ていて。コインをトスしたり、倒したり倒されたりというのが、すごいカッコよかったみたいですね。そのお兄ちゃんたちが遊んでいたのが『ポケモンカードゲーム』だったんです。

それを見た息子さんは、カードを欲しがりませんでしたか?

もちろん(笑)。ですが、当時は息子が幼稚園の年中でしたから、まだルールが理解できないと思ったんです。

だから、「もうちょっと大きくなってからにしようね」と言ったんですが、息子が幼児雑誌に載っている『ポケモン』のイラストを見ながら自分で紙に絵を描いたり色を塗ったりして、何枚も自作のカードを作っていたんですよ。

その姿が健気で、ちょっとかわいそうかなと思いまして……。でも、私は「買わない」と言ってしまったので、「そんなに欲しいならサンタさんに頼んでみれば?」と言って、サンタさんからのクリスマスプレゼントとして入門のスターターキットをもらったんです。

それで親子でがんばってルールを覚えるわけですが、このルールを覚える過程で息子は足し算と引き算ができるようになったんです。攻撃をしてHPが減るときなどに、80引く70は10とか、ゲームをやりたい一心で算数を覚えていましたね(笑)。

あと、カタカナも読めるようになって。そんな息子を見て私も、内心「これは意外なところでメリットが……」と思いました。

やりたい気持ちがあれば、なんでもできるんだなと。だから学校のお勉強でやるより楽しくいろいろなことが学べたなと、思いがけないお土産が付いてきた気持ちです。

さらに、対戦ができるようになったおかげで、その近所のお兄ちゃんたちからも息子が一目置かれるようになったんです。あと、私も対戦できるようになったので、近所の小学生から「対戦しよう!」と声をかけられる人気者になりましたね(笑)。

俵さんも、息子さんとポケモンカードゲームで対戦

俵さんもいっしょに遊ばれるんですね。

そうなんです。小学生が大人と対戦して負かすとうれしいらしいんですよね。それで私も意地になって真剣勝負をして、負けると悔しくなったりして(笑)。

それがきっかけで、そのお兄ちゃんたちとは息子が小学生になっても仲良しで、毎朝いっしょに学校へ連れて行ってもらっています。

私もその子たちと会話するようになりましたし、『ポケモン』がきっかけで近所のコミュニティーが広がりましたね。

息子の通っていた幼稚園から同じ小学校に行く男の子がひとりもいなかったんですが、そのお兄ちゃんたちがいるということで、息子も楽しみにして通うようになりましたし。

これがきっかけでいろいろな広がりが出たので、本当にポケモンには感謝です。

ちなみに、息子さんとポケモンカードの対戦はされるんですか?

しますよ。私はずっとハブネークデッキ一筋です(笑)。

いまのところ私のほうが強いんですが、新しいカードが覚えられなくて……。だから、新しいカードを出されると意味を聞いたりして私も勉強しています。

子どもと遊ぶときのポイント

お子さんと遊ぶときに心掛けていることはありますか?

「子供がいま何をしたいのかな」と観察をして、しょうもないことでもそれをいっしょに楽しむようにしています。

東京にいるころに来ていただいていたベビーシッターさんから学んだことなんですが、子供と遊ぶときに「さあ、これで遊ぼう」と一生懸命に考えて、そのとおりに遊ばないとイラッとしちゃうんですよね。

でも、ベビーシッターさんの様子を見ていると、待ちの姿勢で「いまこの子は何をしたいのかな?」と考えつつ子供の様子を見て、子供が興味を持ったところから遊びを作っていたんです。

たとえばティッシュ1枚が落ちるのを見ているだけで楽しいときは、飽きるまで見せてあげるとか。それを見て以来、待ちの姿勢を心掛けていますね。

それは自分もいっしょになって楽しむということでもあるんでしょうか?

そうですね。たとえば、大人が子供といっしょにブロックで何かを作ったりして遊ぶと意外と達成感があるので、そういうことを求めがちになると思うんです。

でも、子供はブロックを並べているだけで楽しいことがあるので、その気持ちをいかに酌めるかというのが遊ぶポイントかなと思っています。

俵さんの考える「子育ての秘訣」

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