今年の「ポケモンワールドチャンピオンシップス2016(以下、ポケモンWCS2016)」は、ジュニア、マスターの2ディビジョンで日本人選手が優勝しました!

   ジュニアディビジョン 優勝 サダヒロ シュント選手
   マスターディビジョン 優勝 イトウ シンタロウ選手

世界チャンピオン、おめでとうございます!!

そしてWCS2016で話題になったのは、何といっても、マスターディビジョンの伊東進太郎(イトウシンタロウ)選手が使用したメガタブンネEXデッキ。その一方、環境の中心はよるのこうしんやオーロットBREAKデッキ。メガタブンネEXデッキは、ポケモンWCS2016のDAY1からほとんど使用されなかったマイナーなデッキでした。想定外のデッキの快進撃に、決勝戦は大勢のギャラリーが大興奮でした。



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その伊東選手に、決勝戦終了直後に、お話を聞いてみました!
チャンピオンインタビューなので、いつもより難しい内容になっています。



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伊東選手とは...

ポケモンカードゲームの対戦を始めたのは2009年。
ポケモンWCSの出場は今年で3回目。
2013年、2015年とポケモンWCSへの挑戦を重ね、2016年の今年、見事世界チャンピオンの栄光を手にした。


使用デッキ:メガタブンネEX

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■ポケモン 13枚
3 メガタブンネEX
4 タブンネEX
2 シェイミEX
1 フーパEX
1 マギアナEX
1 コバルオン
1 アブソル

■サポート 13枚
4 プラターヌ博士
2 N
2 AZ
2 フラダリ
1 オカルトマニア
1 クセロシキ
1 ポケモンセンターのお姉さん

■グッズ 22枚
4 バトルサーチャー
4 ハイパーボール
4 トレーナーズポスト
4 タブンネソウルリンク
2 かるいし
1 メガターボ
1 あなぬけのヒモ
1 すごいつりざお
1 びっくりメガホン

■スタジアム 2枚
2 パラレルシティ

■エネルギー 10枚
6 基本鋼エネルギー
4 ダブル無色エネルギー
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WCS2016 TOP8のデッキレシピはコチラ(英語)



ーなぜこのデッキに?
伊東「今年の6月末時点では、Water Tool Box(ガマゲロゲEXなど、水ポケモン主体のデッキ)を使って世界大会に参加する予定でした。ただ、約1ヶ月間、様々な方面から試したところ、ビークインを中心としたデッキに勝ち切ることが難しいことが分かりました。そして、一緒に練習する仲間の助言もあって、7月末くらいにWater Tool Boxを諦めることにしました。

その頃にはメタゲームとしてのWCS2016環境予想は固まってました。そこで、環境に合うデッキとして、昔使っていたメガタブンネEXを見直して、育てることにしました」


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ーWCS2016の環境をどう見ていたか?
伊東「よるのこうしんが約25%、そこにビークインを足したデッキが5%ほど、オーロットBREAKは20%、Water Tool Boxとラフレシア・ビークインが10%ずつ、ゲッコウガ5%、ダークライ・ギラティナが5%と考えていました。

上位2つのよるのこうしん、オーロットBREAKで、大体50%になるので、その2つに強く出られることが、使用するデッキの条件と考えていました。ただ、よるのこうしんに対して強く出るのは難しい。。。よるのこうしんに対するアプローチは3つあって、

  1.うまくサイド差を詰めていく
  2.よるのこうしんの一発を耐える
  3.グッズを止めて遅らせる

のどれかだと考えています。メガタブンネEXはこのうちの1、2のアプローチを同時に満たすことができます。ワザ「マジカルシンフォニー」でバトル場110ダメージ、ベンチに50ダメージ与えることができるので、全体的にHPが低いよるのこうしんのポケモンを同時きぜつさせることが狙えます。またメガタブンネEXはM進化ポケモンなので、HPは220と極めて高く、よるのこうしんの一発を耐えることができます。

オーロットBREAKに対してのダメージが綺麗なのも魅力です。50ダメージでボクレーをちょうど一発、110でオーロットが一発、オーロットBREAKはHPが160なので、110+50できぜつさせることができます。ちなみにマギアナEXは、オーロットBREAKのサイレントフィアー対策で採用しました。同時にジラーチのスターダストを防ぐこともできます。

デッキ選択の最終的な決め手になったのは、僕がカードを始めた2009年に教わった先生、イタガキさん(ポケモンWCS2012チャンピオン)の言葉です。「大多数のデッキに55%で勝てるデッキがあれば世界大会で優勝できる」とおっしゃっていました。この言葉を信じて、メガタブンネEXデッキを採用しました」


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ーメガタブンネEXと組み合わせるポケモンで候補にあがったのは?
伊東「鋼タイプ以外にも、実は5タイプ候補があり、鋼と悪を特に検討しました。

鋼:
鋼を選択するメリットは、前述のマギアナEXの他、メガタブンネEXのサブアタッカーとして、非EXでコバルオンを採用できます。

悪:
イベルタル[XY8]を採用でき、ベンチのEXに60ダメージ与えられ、(「マジカルシンフォニー」と合わせて)ベンチのシェイミEXを、60+50できぜつさせられます。HP170のポケモンEXも60+110できぜつ。イベルタルEXも採用すれば、闘抵抗を持つので、闘とも戦えるようになります。

フェアリー:
ゼルネアス[X30]でエネルギー加速させることができ、デッキの安定度が増します。さらにM進化に強いギラティナEXの弱点もつけます。またフェアリーガーデンで、重いメガタブンネEXのにげるをゼロにもできます。

水:
マナフィEXでにげるをゼロにでき、ワザで回復できるのでオーロットBREAKにも強く出られます。回復しつつ、ベンチでメガタブンネEXを育てられます。

雷:
サンダースEXが入れられます。ワザでよるのこうしんに強いですが、ポケモンレンジャーの登場で弱体化しました。サンダースEXはにげるがゼロで、対戦での選択肢を増やせるのも魅力です。

炎:
カエンジシが入ります。「フレアコマンド」でフラダリと同じ効果を使えるので、サポートをドローに回せます。また炎エネルギーをトラッシュして、メガターボで再利用も可能です。「いかくのたてがみ」のカエンジシも強いです」



ー別のデッキで採用を考えたものは?
伊東「ダークライEX・ギラティナEXを改良したデッキです。
ギラティナEXはポケモンレンジャーが出て、マスターでは通用しないと考えていました。だからギラティナEXの代わりに、デッキには、ミュウと次元の谷、ピーピーマックス、「デスウイング」のイベルタルを加え、改良しました。よるのこうしんに強く立ち回る方法として、ミュウでイベルタルの「デスウイング」を使い、相手のミュウを倒します。ピーピーマックスがあれば、必要なエネルギーの多い、「しっこくのやり」を使っていけます。「しっこくのやり」で、(ベンチの)シェイミEXにダメージを与えて戦います。エネルギーがつくことで、ダークライEXのワザのダメージも出るようになります。ただ少し完成が遅かったので、WCS2016に持ってくるには至りませんでした」



ー最後までデッキの調整をした箇所は?
伊東「DAY2当日の朝、1枚替えました。DAY1の結果を見て、Water Tool Boxが多くいると予想して、Water Tool Boxに対して有利なカード、ポケモンセンターのお姉さんを採用しました。代わりに、2枚入れていたオカルトマニアを1枚減らしました。

Water Tool BoxのメインアタッカーはガマゲロゲEX。メガタブンネEXを倒すには、「グレネードハンマー」を使われます。ダメージ130のグレネードハンマー2回で、260。ポケモンセンターのお姉さんを挟むと2回のところを3回にできます。また、グレネードハンマーを使われる前提なので、ある程度グッズを使うことができると想定していました。

オカルトマニアはもともと、ギルガルドEXとギラティナEXを意識して採用していました。ギラティナEXはそんなに存在しないと想定し、2枚から1枚に減らしても問題にならないと判断しました。


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ーDAY2のスイスドローは、7勝1敗でしたね。苦戦したバトルや印象に残っているバトルは?
伊東「1戦目は、よるのこうしんデッキが相手でした。2本先取の1本目は先攻をとれたが負けてしまいました。2本目も先攻なのに負けて1敗となり、正直、動揺しました。

別の意味で印象に残っているのは6戦目、自分が尊敬するプレイヤーの一人、ツルタさんの対戦です。彼のデッキはよく知っていて、少し自分が不利だと思っていました。でもツルタさんはポケモンカードを楽しむのを理念にしている方で、おかげで、楽しみつつ、集中して対戦ができました」


ー1戦目で負けたあとの切り替えは?
伊東「ポケモンカードは当然運要素があるので、運が悪いときは、負けても仕方がないと思います。ただ、すべてが終わったあとに落ち込むのは良いが、大会の途中に落ち込むのはやめるようにしています。2015年の日本チャンピオン決定戦では1戦目負けて、引きずって2戦目プレイミスをしてしまいました。それ以降は反省し、大会の途中で落ち込むことはしないようにしています」



ー決勝戦直後のインタビューでは涙ぐむ様子がみえましたが、何を思った?
伊東「仲間に協力してもらったことに感動して。。。 1人ではここまで来れなかったです。自分から動いて、みんなに練習しようと声をかけて誘うのが苦手なんです。周りが声をかけてくれて、練習に参加させてもらって、それがすごくありがたかったです。家に呼んでもらって1日12時間とか練習したり、制限時間50分のWCSの練習もできました」


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ー仲間がいて助かった点は?
伊東「何より、仲間に相談できる点です。Water Tool Boxを持っていくのを諦めたのも、仲間のコメントがあったからです。実際予選で(苦手な)ビークインと2回あたっているので、諦めさせてもらえて良かったです。



ー大会に向けて、どうやって準備している?
準備は、レギュレーションが発表された後から始めます。直前に流行っていたデッキと、次の大会で新しく出るであろうデッキを混ぜて、一通り対戦をしています。さらにジムや公認自主大会で使わているデッキも用意します。強いデッキが分かってきたら、細かい調整をしてえいきます。

これらのデッキですが、対戦する仲間全員がそれぞれで作って持ち寄ります。デッキを用意するとき、誰かのデッキを真似て作ると、その人の考えが反映されてしまいます。自分で作ると、自分の考えで1枚1枚のカードを採用できます。だから参加する人それぞれがデッキを準備することで、いろんな視点でデッキを作ることができるので、質の高いデッキに調整できます。

具体例でいうと、Water Tool Boxを作っていたとき、どうしてもビークインに勝ちきれませんでした。でも仲間の1人に、キュレムEXを2~3枚採用して、(全員に攻撃できる)「こごえるせかい」を使って、相手のポケモン全員をすべて倒しきるってってアプローチをしていた人がいたんですよ。自分だけでは絶対に、気づけませんでした。他には、ダークライEX・ギラティナEXのデッキとWater Tool Boxはどっちが有利なのか、対戦仲間の間でも意見が分かれて、自分でもそのとき答えが見つかっていませんでした。仲間と対戦を重ねたことで、Water Tool Boxの方がある程度勝率が高そうだ、という結論に至ることができました」



ーこれからメガタブンネEXを使う人に対してアドバイスを!
伊東「ダブル無色エネルギーを含めて、エネルギー2枚で動けます。無色タイプなので、様々なタイプと組み合わせることができます。HPが非常に高いので、すぐ倒されて対戦を楽しめないってケースも少ないです。初心者にも上級者にもオススメです!!」



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ー最後に、世界チャンピオンになっての思いを!
伊東「・・・・・・難しいですね。えー、なんだろう。(しばらく考えて)・・・実は、僕がポケモンに出会ったのは3歳のときなんです。そのとき、『ポケモン 緑』をやりました。それから、ずっとポケモンとともに成長してきました。だから僕にとってポケモンはなくてはならない存在で、ないことが考えられないんです。それで中学3年のときに、友達とそういや昔ポケモンカードってあったよなって話になり、やってみたら、たまたま自分だけがはまりました。そして、カードショップの大会に参加したら、他の参加者が優しくて、すぐに楽しめて。そこからコミュニティができていって、いろんな人とポケモンカードで遊ぶようになりました。

昔は、よく遊びに行ってたお店で、2010年の世界チャンピオンのコマツダさんが使っていたデッキを真似してつくって、それで遊んでいるのがすごく楽しかったです。憧れていました。

そんな感じでカードを続けてて、はじめて日本代表になったときに、「日本代表」って看板を持ちました。そこから自分が挑む側から、挑まれる側に、立場が変わったなという実感がありました。そこからは、特にジュニアに対しては、自分は超えられない壁であり続けなければならないと思ってます。自分がそうだったように、これからは、子供達が世界チャンピオンを目指すにあたって、良い相手であり続けなければならないって思うんです。僕はそういったコミュニティに育ててもらってここまでこれたので、同じようなことを大事にしていきたいです。使命感などではないけど、それが自然の流れだと思ってます。

ポケモンカードゲームをやっている人はみんな温かくて優しい人が多いです。幸せな環境なので、これからも続けていきたいと思います」


伊東選手、長時間のインタビューありがとうございました!



伊東選手が使ったメガタブンネEXが収録されている構築デッキは、好評発売中!
このデッキから、来年のWCS2017の世界チャンピオンを目指してみてもよいかもしれませんね。未来のチャンピオンはあなたかも?!

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イベントマスター コウヘイ

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